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1年たちました。

約1年前、ちぇすなっと初めてのブログに、3才の息子と毎晩4冊の絵本を読んでいるという話を書きました。現在息子は4才4ヶ月。今は毎晩8冊程読んでいます。時には10冊を超える日もあったりと、毎晩の絵本時間は1時間ほど。それなのに以前と比べて物語に入り込むことができる絵本が増えてきたので、いつもあっという間の1時間です。

 

ある日寝る前に読んだ本の1つは谷川俊太郎さんの「とぶ」というもの。まことという男の子がある日ふと走ってみると、ふわりと足が地面を離れて空に浮かぶという話です。その夜の息子の夢は、道を歩いていたら急にふわっと浮かんで空を飛んだという話だったそうです。絵本の物語は子どもの心の中にもしかしたら日常以上に入り込んでいるのかもしれないなと感じることがあります。簡単に空想の世界と現実を行き来する今の息子をみていると、絵本の世界と日常が合わさって、壮大な楽しい物語を生きているかのようです。絵本体験が将来どんなことにつながっていくかはわかりませんが、少なくとも空を飛ぶなんてことが自分の身にも起こるかもしれないとわくわくすること、そんなことをほんのひと時でも想像していたであろう息子のことを思うと、物語が子どもの生活に寄り添うというのは、とても素敵なことだなと感じます。

 

ちぇすなっとがオープンして、まさかの1年がたちました。ちょこちょこ顔を出してくれるお客さん、遠くから電車に乗って来てくれるお客さん。そのお客さんたちに連れられて来てくれる新しいお客さん。少しずつ、少しずつ、増えてきているお客さんの存在がとてもうれしい毎日です。お店ってなんだろうと、この1年本当によく考えました。お客さんにとっては、ほっとできたり、子どもがうれしそうだったり、いい絵本に出会えたり。コーヒーがおいしかったり、話をして気分転換ができたり・・・。私たちお店側にとっても、お客さんにゆったりと楽しんでもらえることがそのままお店の肯定につながるので、楽しそうな顔をみると心底ほっとします。人と話すのがそれほど得意ではない夫婦2人でお店など始めてしまいましたが、お客さんとのほんの一言、二言の会話に、これほど元気をもらえるのかと、小さなお店ほど、お客さんあってのものなのだと実感した一年でもありました。

 

そんなお店の中心に「絵本」があるということ。息子をみていて、絵本を読んでいるお客さんたちをみていて、まだ確かなことはわかりませんが、絵本のお店でよかったと感じます。

 

お店として、本当にまだまだ、足りないところがいっぱいです。これから2年、3年、10年、20年と続けていけるよう、いい絵本に出会うことのできるお店に、誰かに必要とされるお店になっていきたいと、心から願っています。